前回の昔話5️⃣Laboratory blues①ではオラとヘビードリンカーTが所属していた研究室の紹介と、飲み仲間になった先輩U&Zとのエピソードを記しました。今回は研究室単位でのお出かけ、ゼミ旅行での出来事です。
研究室では年に二回のゼミ旅行(一泊二日)が催されており、一回目は夏休み期間に、二回目は四年生の卒業記念という意味合いも含めて、春休み中に行なわれていました。オラたちが三年生の年、夏は海辺の民宿に泊まって海水浴、春は日光で東照宮等を観光して旅館に泊まるという旅程でしたが、その日光の旅館でのこと。
旅館の部屋割(全室和室です)は研究室の担当助教授、三年男子、四年男子、三・四年女子という順になっていました。四年生女子は一人で三年は二人ですから一部屋にまとめられたわけで、女子部屋の先には大量の布団をしまってある小さな部屋=布団部屋がありました。宴会場としても使われる専用の大部屋ひとつに集まっての食事で、夕食の時間には当然のように酒が振舞われました。①でも触れましたが、四年生は酒の好きな人が多くて酒豪揃いなんですけど、さすがの彼らもヘベレケというか、いい気分の酔っ払い。かなりハイになっていました。
そして食事が終わって各部屋に引き揚げたあと、引き続き盛り上がっている様子の四年男子部屋から「……あいつらを連れてこようか?」という声が聞こえてきたのです。ターゲットはTとオラ。さらに部屋で飲もうという魂胆だったらしいのですが、一日中歩き回って疲れているのに、面倒なお兄様たちの相手なんてしたくない。「え~、こっち来るのかな」と話していたら、四年女子の先輩が「私が追っ払ってあげるから隠れたら?」と提案してくれたのです。前にも記したとおり、お兄様たちは同期の女子には距離を置いているので無碍なお誘いなどは出来ないんですね。
とはいえ、宿泊する和室に隠れるところはない。押し入れじゃすぐに見つかってしまうからね。そこでこっそりと部屋を抜け出し、隣の布団部屋へ隠れたんですよ。もちろん照明は点けられないので、廊下の灯が頼りの薄暗がりの中、布団と布団の間に潜ったのですが、もうスリル満点(笑)。Tと顔を見合わせては笑わないようにするのがやっと。
夏は夏で、オラとTの宿泊部屋にはエアコンも窓もなくて大変だったとか、海に飛び込んで大騒ぎする輩がいたとか、それなりにいろいろありました。研究室だけでなくサークル活動の方でも、合宿やら行事やらの際にトンデモな出来事は山ほどあった。酒飲んでの乱闘騒ぎだとか救急車呼ぶ羽目になったとかね。
児童・生徒が学ぶ環境としては、小中高は現代の方が絶対いいと思う。ランドセルひとつとっても軽くていい物が出来ているし、好きな色も選べる。中高はリュック型の通学カバンが主流じゃないですか。重いだけで使い勝手の悪い手持ちカバンなんてク◯だぜ。イジメやスクールカーストなんてのは程度に差はあるかもだけど昭和にも存在した。女子のみが容姿で差別されたり学力を正当に評価されないなんてのも改善されつつある。けれど、大学に関してはオラたちの時代の方が楽チンだったね。学生は野放しもいいところ、いいのか悪いのかって、悪いに決まっているけど(笑)やりたい放題だったのは認めるわ。
「羽目を外す若者の姿に眉を顰める大人」側の年齢になったけど、過去の自分たちを振り返ると今よかよっぽど滅茶苦茶やってたんで、若者を批判する資格なんてこれっぽちもないっスね。そもそも令和の若者は「あんなアホなこと」はやらんだろうな。ネタになるような「あんなアホなこと」がまだあるってのもどうよ。次回以降にまたピックアップしてみたいと思います。