灰になるまで腐女子です?

二次元沼にハマった永遠の35歳主腐が同輩を求めて綴る戯言

映画『セマンティックエラー』を視聴してみた

 ちょっくら前(昨年12月と思われる)のことになりますが、スマホのお勧め記事にて映画『セマンティックエラー』を知りました。以前にいずれかの記事で書いたかもしれないけど、忘れたのでもう一回書きますが、その映画の主人公たちの吹替を榎木淳弥氏と、ヒロアカ切島鋭児郎CVの増田俊樹氏が担当することが決まったという内容です。

www.cinemart.co.jp

 恐らくオラが榎木氏について検索する機会が多かったため、「こいつ、榎木マニアだな」と認識、お勧めされた(笑)のでしょう。この映画に関する別の記事では下記のように紹介されていました。

 「セマンティックエラー」は韓国で社会現象を巻き起こし、世界中で人気を集めている大人気韓国BL作品。エラーのような出会いをきっかけに、正反対なふたりの男子大学生が恋に落ちていく——ぶつかりながらも惹かれ合う、思わず胸がキュンとするストーリーに〝沼落ち〟する人が多発しているとか。

 いや、社会現象とか世界中って何よ。我がジャパンでは何年も前に『おっさんずラブ』でそのテの現象は体験済だからね。しかしながら、映画館で堂々と上映される人気のBL映画にて、榎木氏がどのようにそっち系を演じるのか興味が湧きました。そもそもこの映画は「イケメンで自由奔放、大学一のカリスマであるジェヨン(攻)」と「秀才だが変わり者で完璧主義者のサンウ(受)」のラブストーリー、つーことですが、ジェヨンを榎木氏が、サンウを増田氏が吹替するんですよ。そうと知った時は「えっ、逆じゃないのか」と思ったんだわ。

 榎木氏はオラが思ってた以上に、そっち系に関わっておられたみたいなんだな。まさに「こちらの想像を超えていた」ってやつ。調べてみるとBLのドラマCDやら、ようつべの配信で見かけた、BLマンガにアフレコした動画やらに結構な頻度で参加されているんですよね。当のCDは聴いたことがなく、動画も視聴する機会がなかったんですけど、声の質からか受キャラを担当するパターンが多いみたい。対する増田氏ですが、切島クンの他には、今最もマイブームのマッシュルでシルバという小悪党っぽいキャラ、すなわちべらんめえ口調のCVしか聴いたことがないため、攻キャラを振られる方が多いのではと勝手に解釈していました。それが今回は榎木氏の方が攻じゃないですか、榎木氏の攻め声が聴ける、つまりはシュウバル状態(?)なわけで、これは是非とも聴いてみたいと思った次第です。

 ともあれ、我が家のサブスク・U-NEXTで配信しているっつーんで、ポイントつぎ込んで視聴開始。以下、ネタバレ注意ですのでお気を付けください。

※ユーネクは定額料金で見放題の作品の他に有料の作品がありますが、毎月継続ポイント1200Pが貰えまして、1P=1円で有料作品視聴の支払いに使えます。使うことなく期限が失効する場合も多く、この機会にポイントを使ってやろうという目的もありました。

 

セマンティックエラー 公式画像

 舞台は大学のキャンパスで、コンピューター工学科のサンウがデザイン科のジェヨンと出会い、正反対な性格のためにお互い反発し合うものの、いつしか惹かれていく、といった王道ストーリー。サンウの告発のせいで単位が取れず卒業できなかったジェヨンが嫌がらせのために、彼に近づくといったところから始まるんだけど、つーことはジェヨンは四年生で留年(五年生?)したのか。ならばジェヨンを先輩呼びするサンウは三年生と捉えていいのか、それとも進級して四年か。ジェヨンが根城にしている「作業部屋」の存在もよくわからず、研究室或いはゼミの部屋なのかと思ったけど、学生たちが好き放題に飾りつけた上にゴミを散らかしているところからして、サークルの部室に近い雰囲気。オラの理解が足りないだけかもしれんが、そういう細かな点がわかりにくかったですね。

 登場する学生たちは耳から顔面からピアスをつけまくり、オシャレな格好をしてオシャレな店で酒飲んでばかりで、苦学している様子もなくて、みんな金持ちの子息かと。ジェヨン自身に、さらにはサンウとの関係に理解ありすぎのイケイケ女子、サンウに片想いするヒロインタイプの女子、と設定がありきたりで草。ジェヨンのゼミの後輩になるのかな、家来のような存在の男子も出てきて、呪術・灰原雄CVの梶原岳人氏が吹替していました。

 大学構内では大教室、さらに普通の広さの教室での講義、図書館、学食と、キャンパスあるあるの「外に置かれたテーブルとベンチ」で様々なシーンが繰り広げられて、学生時代ってこんな感じだったかなとは思うがオシャレ度が違いすぎる。また、サンウが住むアパートの隣の部屋に引っ越すジェヨン(たまたま空室なんて都合良すぎ)、二人とも部屋の中はキレイでシャレていてモデルルームかよって。さらにはこれまたコジャレた店でバイトしたり、ダーツしたりプールバーで遊んだりと、トレンディドラマ(古)を観ているような展開に、小汚い部室や居酒屋で飲んだくれていた昭和末期の大学生としては何も言えないっス。

 ともかく、内容としてはめっちゃ王道やんと思ったんだけど、これで「社会現象を巻き起こし」て、尚且つ「歴史を塗り替えた」の? これまでの韓国BLの歴史の詳細が知りたい。少なくとも日本で、この内容で小説書いたら酷評されると思うわ。オメガバース全盛を乗り越えた(のか?)日本のBL業界(主として一時創作である小説とマンガ)の現況については詳しくありませんが、スマホとパソコンの存在を除いたら、時代を三十年くらい遡ったんですかと言われそう。韓国BLは日本より三十年遅れている、ってんならわかるけどね。

 ジェヨンが自分のことを「オレってイケメン?」と繰り返しアピールするのもイラッとしたね。BLワールドに於いてイケメンなのは重要だけどさ、どんなに内面が良くてもブサメンだったら、はなから相手にされなかったのでは、と邪推させてしまうのはいかがなものか。そもそも、あちらの俳優さん(アイドルも含めて)って一重瞼で、肌がやたらとキレイで唇が赤いんだよね。世界中で人気を集めているくらいだから、評価する人もそれだけ多いんだろうけれど、自身のイケメンの基準とズレているので「まぁ~イイ男、素敵」とはならない。ま、オラの場合「イイ男は二次元にしか存在しない」と豪語してますのであしからず。

 つーわけでストーリーについては散々な言い様ですが、視聴の一番の目的だった榎木&増田のアテレコ、サンウは切島クンとは真逆のタイプのキャラであり、それを演じる増田氏の感情を抑えた演技は初めて聴いたので新鮮でした。振り幅が広いってのは声優として強味だよね。サンウは独り言のように小声でぶつぶつ言う場面が多いんだけど、音量は小さくても何を言っているのかがしっかり聞き取れるのも素晴らしい。発声が明瞭だからこそで、流石です。

 発声が明瞭なのは榎木氏も同じで、シュウCVではあまりそういうシーンはなかったんだけど、呪術・悠仁クンCVでは結構あるある場面で、悔しさを嚙みしめながらボソボソとしゃべるセリフがちゃんと聞き取れると評判になっていました。ジェヨンではそこまでボソボソするセリフはなかったのですが、明るく振舞う場面と苛立っている場面の差というか、緩急がしっかりついている感じ。御本人がインタビューで「ジェヨンは身体が大きくて(身長190超えだそうです)身体の大きい人は声に厚みがあるけど、僕は小柄だから、どうやって表現しようか考えた」といった内容を話しておられました。確かに、シュウや悠仁クンとはトーンが違う感じ、かといって、黒歴史レッドアイ(声が低め)の感じとも微妙に違う。ジェヨンの性格の軽さを反映させたから、ですかね。とにもかくにも、声だけで全てを表現する声優さんはスゴイっス。

 BLですから当然ながらラブシーンもあるけど、そこまで濃厚ではなく、むしろ本編終了後のおまけ(?)で配信されているアニメVer.の方がヤバかったです。うわこれ、どうやって収録してるんだろ。まあ、CDや配信やってるから手馴れたものなのかな。ジェヨンとシュウではキャラが違いすぎて、ジェヨンのエロい声からシュウを連想するのは無理でしたけどね。そうだな、榎木氏の演技はいいけど、やはりジェヨンのイメージとはあまり合わなかった、中村悠一氏あたりの方が適任ではというのが個人的な意見です。といったところで、興味を持たれた方は是非とも視聴してみてください。

ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 BL・GL・TLブログへ
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL語りへ
PVアクセスランキング にほんブログ村