今週のお題「大切な人へ」
大切な人……母にとって、我が子以上に大切な存在など、ない。
週刊少年ジャンプで連載されていた「NARUTO」を御存知の方は多いと思う。忍者とはいっても、戦国時代とは違う世界観での忍の世界を扱った漫画だが、この作品の中で、主人公ナルトが生まれた直後に亡くなった、母クシナが忍術の一種を使って、成長したナルトの意識に現れるというくだりがある。
クシナは自分と、夫であるミナトが死を遂げる羽目になった経緯を息子に説明するのだが、絶命する直前、彼女が赤ん坊のナルトにかける言葉は私の、豊かとは言えない程度の母性をも刺激、号泣せずにはいられなかった。
「好き嫌いしないで、いっぱい食べて大きくなりなさい」
「本当に信頼できる友達をたくさんでなくていいから作りなさい」
母親ならではの言葉が続いたあと「もっと一緒にいたい」と涙を流すクシナ。
その場面を思うと即、泣けてしまうので、なるべく思い出さないようにしているのだが、今回の文章を入力するにあたりコミックスを読み返している。ダメだ、やっぱり涙腺崩壊。
文科省は「NARUTO」を道徳の教材にしてはいかがだろうか。マタニティスクールで扱ってもいいかもしれない。子供は親の思いを理解するだろうし、親から子への虐待防止にもなるのでは?
母の思いが溢れる言葉に触れ、我が子にももっと温かい気持ちで接しよう、細かいことは言わないようにしようと反省するのだが、ついまた、余計な口をたたいてしまい、「うるせーな」と反論される。その繰り返し。
それでも、生きてあなたの成長を見届けられていることがどんなに幸せかわかるよ。この先もずっと、見守っているからね。