ほぼ半年ぶりの昔話カテゴリです。高校時代の逸話です。今はどうなのか不明ですが、当時の母校ではクラス毎に自分たちで計画して「みんなで何処かへお出かけしましょう」という、年に一度のイベントの日が設けられていました。小・中学校では遠足やら社会見学といった、学校主導の企画がありますが、高校生ともなると学校に任せるのではなく、主体的に何かやれよということなのでしょう。
初めてその企画を知らされた高校一年時、何処へどうやって行けばいいのか、なかなか思いつかなかった我がクラス、とある生徒が「〇〇〇(入場無料の公共施設)へ行くってのはどうだ?」と提案しました。「それだ!」と飛びついたのはいいのですが、そこは学校から車で一時間ほどかかる遠方で、電車の最寄り駅からも遠い。さてどうやって行くかとなった時に、
「チャリでよくね?」
当時、通学手段として自転車を使用する生徒が大半だったので乗り慣れてはいる。が、車で一時間の道程を自転車、それも、現代のようにロードバイクや電動アシストがついたものなどなく、ひたすら脚力で進む通学用を使って行くなんて、かなり無謀。しかしながら若さというか、怖いものなしというか、反対を唱える者もおらず、その計画で議決したのです。
季節はたしか秋だったと思う。気温もちょうどいいし、雨の降る確率も低く、外での活動には最適。つーわけで、当日は制服ではなく思い思いの服装で、学校からの経路をひたすら走りました。今ほど交通量もなく、自転車に乗った高校生が三十人ほどでワイワイやっていても顰蹙を買わなかった、そういったところでは平和な時代でしたね。校外活動の一環ですから、当然ながら担任教師が引率しなければならず、中年もかなり過ぎた男性教諭は原チャリに乗って必死でついてきていました。先生の事情なんて何も考えてなかったよな、ひでぇ話だ(笑)。
全員無事に目的地へ着き、施設を見学して持参した弁当を食べて、また帰路につく。それなりに楽しかったし、往復で60kmほどの道程を走って大して疲れたおぼえもないので平気だったんだと思う。若いって最強。令和の現代なら絶対に却下される計画だよね、よくぞ実行したもんだ。
今の職場に替わってから通勤にバスを利用する時間が長くなりましたが、バス路線沿線の高校に通う生徒たちが天候に関係なく大勢バスに乗っているのを見て、些か不満に感じることも。自分の高校時代にバス通学をする生徒なんて皆無だったし、それは母校に限らずどこの学校でも同じだった。マブダチHなんて往復20kmをチャリで通っていたぜ☟
十年程前の、長男が高校生の時ですら、山越え川越えやって来ていた生徒が大勢いたのに、あの頃と比べると、自転車で通学する生徒はめっきり減りました。昨今の道路事情、過密になった交通事情等、自転車通学に伴う危険性が上がったこともあって、バスで通学なんて軟弱な、何がなんでも自転車にしろとは言いませんが、なんだかもやもや。
女子は(男子も、かもしれんが)髪の手入れに余念がない感じだし、だから絶対にヘルメなんてかぶらないし、髪を振り乱してチャリに乗るなんて耐えられないのだろう。日傘や日除け手袋まで使用してオバかよって。ルッキズムに支配されて、ある意味気の毒。そんでもって、バスの中も電車の中でもひたすらスマホをいじっているだけ。やってることが受け身つか、覇気がない。冒険するなんてとんでもない、無難にその時々を乗り切ればいいと思っているのでは、若さを武器にしてのチャレンジ精神ってのもかなり低下しているのではと勝手に想像しています。
そりゃあチャレンジと無謀は違うけど、高校よりもさらに大学でもっと滅茶苦茶やって、そこでやり尽くした感があって今に至った身としては、無茶ができる年齢に何もやらないまま中高年になって、体力も気力も低下の一途を辿り始めた時に後悔しても知らんぜ。そんなことで後悔なんかしないと反論されそうだけど。ちなみに高二の時の「お出かけDAY」では某史跡をこれまたチャリで訪れました。一年時よりは近場だったけどね。三年はさすがに公共交通機関を使ったな。一年より三年の方が老いた、そういうことだよ。