Twitterの「この人をフォローしてみたらいかが?」のお勧めユーザーの中にベイバ原作者・森多先生の別垢があり、先生がNLラブコメの同人誌を出してイベントにも参加していたことを知りました。「していた」と過去形で記述したように、何年か前の出来事で最近の話ではありません。ま、プロ漫画家の方の同人活動はよくあるケースですし、どうということはないけど、コロコロでは扱っていないNLというテーマを同人誌という形にしてでも描きたい、そんな先生の心境を慮ると、ベイバをBL扱いにしちゃってごめんなさいという感じ。
NLについてはこれまで何度も理屈をこねくり回してきました。
「それって、あんたの身の回りの女子というよりは一部のオバでしょ? 女全般じゃないやん」
ごもっとも。全ての女性が腹黒なわけじゃない。つか、今まで生きてきて腹黒女子という人種?に関わったことなどなかった、友達や周囲に恵まれていた、その点に関してだけは幸せな人生を送ってきたわけですよ。物心ついた頃からヤなタイプの女子、学校のクラスに一人か二人ぐらいはいたけど、学校生活という中では、そいつらとはなるべく関わらずに過ごそうとすれば出来る。また、大学進学後からつい最近までは身近に存在しておらず、このままいけば腹黒なんて知らずに成仏したかもしれない。
ところが、職場という場所では学校のように「一切関わらずに過ごす」ということが難しい。同じチームにいれば仕事に関して否応なしに話をしなければならないし、頼み事をする場面も発生する。腹黒に頭を下げるなんて屈辱ですよ。そんな腹黒女子(オバ)にも夫はいる。子供もいる。人によっては孫もいる。こんなにも根性の悪い女を愛して生涯を共にする男や、母として慕う子供がいるなんてさ、どう思います? 世の中おかしいっしょ、と言っても普通に存在するんだな。職場では腹黒でも、家庭では良き妻良き母なんてのはざらにあること。
また、昨今の若手社員はものすごーく計画的かつ合理的。何歳までに結婚して何歳までに子供を何人産む、そのための産休育休の取得もバッチリ。自身のスキルアップやら育休復帰後の昇進、資産を貯める等、キッチリと自分の人生設計をして、それらをそつなくこなす。結婚や出産が計算通りに、そうも上手くいくものなのかと思われるでしょうが、大半の人が計算通りにやってるんスよ。上手いこと生きてるなってつくづく思う。思い通りにならないことばかりで、結局行き当たりばったりに生きてきた「人生山有りならぬ、山は殆ど無しの谷ばっか有り」だったオバとしては羨ましいを通り越して別の世界の人間。決して悪いことじゃない、自分のライフプランを考えましょうねって学校でも教えるようになったらしいし、むしろ奨励されるべきでしょうが、挫折や躓きを知らない人たちとして、相容れない感じがするんだわ。
そんなんばっか見てると、NLがちゃんちゃらおかしくなっちまいましてね。NLに限らず、他人の恋愛を応援したいと思えるのは対象となる人物(キャラ)に感情移入できるかどうかが重要なので、人生に躓き挫折しても、困難を乗り越えて頑張っているかどうかが、オラにとっては推しポイント。ジャンプもコロコロも男性キャラを掘り下げて描くことが多いから、敗北に打ちひしがれたとか闇堕ちした、周囲の理解が得られない孤高のキャラなどは応援対象になるけど、女性キャラでそこまで大変な目に遭っている人はあまりいない⇒女子は応援対象にならない⇒ますますNLが苦手になる、という流れに。呪術の禪院真希は作中の女子でも特に、挫折や苦難を抱えた人物として描かれていますし、彼女と〇〇が恋愛関係になるなら応援するでしょうが、積極的に二次創作するほどの思い入れはないからね。
結論として、実生活に於ける腹黒女子や要領のいい生き方上手女子への嫌悪感が虚構の世界へも悪影響を及ぼしているってことだ。BLの場合、いくら世の中のLGBTQへの理解が高まったとはいえ、同性愛はまだまだマイノリティー。出発点からして困難を抱えているから応援できるものがあるのではと思います。つーわけで、これからも創作するならBLってことだね(笑)。