記事のネタにしようと保管して数ヶ月が経ってしまったツイ。
https://twitter.com/MochiBitter/status/1434485152978128901
失敗談を軸に、小説同人誌を作る時のノウハウについてアンケをとった結果ということですが、思いがけない発見も多かったです。そうか、小説オンリーの同人誌の場合、本文の用紙の種類やフォントにこだわりがあるんですね。現代ならではの選択肢なのかもしれませんが。
DB&スラダン同人時代は漫画と小説、両方の作品が入った内容の薄本を作っていました。そのため、作り方としては漫画同人誌に寄せる形に。コピー本よりも同人誌印刷所に発注する印刷本、いわゆるオフセット本(オフセ、オフと略した、懐かしい)を多く作りました。弱小サークルの割に(笑)金かけてましたね。
まあ、何しろアナログ時代の創作ですので、市販の同人誌用漫画原稿用紙にGペンやら丸ペンを使って漫画を描き、*1小説のページは原稿用紙の上もしくは下半分にイラストを、もう半分にはワープロで作成した本文のコピーを貼り付けるという方法をとっていました。フォントの種類は限定されていたし、凝りようがなかった。印刷所では「トナーでの印字でないと印刷できませんよ」とのことで、インクリボンでは経費がかかるため感熱紙に印刷、当時のワープロの印刷方法はそのふたつだった。そうして印刷した感熱紙をさらにコピーするという手間がかかったわけです。そのために簡易コピー機まで購入したほど。
全ての原稿が完成すると、これまた市販のナンバリングシールでノンブルをつける。英語のタイトルが多かったので、表紙には英文字のシールをよく利用しました。手間かかってるよな、こつこつ作る、なんだか手芸の世界に通じるものが。地方の文房具店ではこれらのシールやスクリーントーン、コピックなどの画材の種類が少ないので晴海のイベントに参加する際、前日に銀座の伊東屋を訪れてゴッソリと画材を購入。オシャレな柄のトーンや珍しいフォントのシールがあると、テンションが上がったおぼえがあります。
表紙と本文の用紙の種類や色を何にするか、何色刷りにするか、遊び紙を入れるかどうかなど、そこらを決めるのが一番楽しかったですね。処分するのが惜しくて、当時の紙見本が手元に残っています。今は仕上がりがシミュレーションできるのかな、あの頃は想像するしかないから、この色の紙とこっちの色のインクでいけるはず、と発注して、現物が届いた際に「おっしゃ! 狙い通りのいい出来だ」とガッツポーズをとった、そんな時ばかりではなく、こんなはずではと自分のセンスを疑う時もありました。先の英文字シールで箔押しをするのが好きで、表紙の色は赤、インクは黒、そこに金でタイトル箔押し、みたいなことをよくやりましたね。もっとも、本文の紙は色上質紙ほぼ一択だったな。途中で紙の色を変えたりインクを変えたりして変化を持たせたけど、凝れば凝るほど経費もかかる。現物と一緒に新品の原稿用紙を何十枚も進呈、そんなサービスをしてくれる印刷所さんはそれだけで評価爆上がり。
当時も今も、表紙はフルカラーが主流ですが、フルカラーイラストなんてとても描けず、絵師Sに初めて描いてもらったフルカラー表紙の薄本は自分が発行したうちの後ろから数えた方が早い、本当に終盤のものでした。インク5色刷りと6色刷りがあって、蛍光ピンクが加わる6色刷りの方が、仕上がりがキレイだと聞いたのでそちらに。またまた金かけたよな~。ところが、最後に発行した、これまたフルカラー表紙の本は自分が引退したのもあって結構な数の在庫が残り、泣く泣く処分しました。原稿も殆ど処分してしまったんだけど、こんな時代が来るとわかっていたら保管しておけばよかったと後悔しております。別の目的で裏面を利用したために、たまたま残っていたDB小説の原稿があるので、下記に載せておきますね。
漫画を描く、小説を書く、それ以外の部分の作業も手間のかかったアナログ時代に比べると、データを送るだけで印刷できる現在の同人誌、凄い進歩ですよね。楽ちん~。今はオンデマンドって呼ぶんだね。知らないことがまだまだいっぱいあるな。でもまあ、もう薄本を作ることはないけどね。そうだ、グッズぐらいは作りたいと思っていたんだ、いつになることやら。
*1:上半分にヤムチャを描いたページ。剥がしてあるが下半分には本文を貼っていた。