自己紹介の欄で「NLはNGだがBLはOK」といった記述をよく目にします。もちろん全部OKの雑食という方、逆にBLは苦手という方もあって様々ですし、元ネタ・公式の見解によっても違ってきます。ジャンプ系は年齢層がコロコロ系より上だから、男女CPが入ってきて当然だし、反対にコロコロは女子キャラが殆ど存在しないので、男女で、ということ自体が稀。NLという表現の良し悪しは以前にも取り上げましたが、そこのところはとりあえず横に置いて☟
NLは男女CPという定義の元、この心理はどこから来るのか。LGBTが認知されつつあっても、世の中はまだまだ男女でCPになるものという考えが根強く、当分変わることはなさそう。同性CPが子供を養子に貰う、或いは精子（卵子）の提供を受けて子供を作るといったことよりも、男女が結婚して子供が生まれる方が社会の基盤である家庭としてのランクは上という考え方、つまり異性CP＞同性CPであり、値打ちが上といった絶対王者的なところに反発している……というのも一理あるでしょうが、ぶっちゃけ「所詮、人は見た目が九割」という非情な現実に反発する思いが根っこにある、オラはそう思っています。
何言ってんの、それってどういうこと？ 思い起こしてください。古き良き昭和の少女漫画は「性悪な美人より、見た目はパッとしなくても性格のいいヒロインがカッコイイ彼のハートを得る」という内容が多かったことを。「美人は性格が悪い」というのも大っぴらに言われていましたし、確かに美人の称号を得る人数が少ない分、チヤホヤされていい気になるといった状況も多かったように感じられます。
ところが時代は平成さらに令和となって、女性たちの容姿のレベルも向上し、美人で性格もいい女性が増えてきました。自分の身近でそう感じるのですから、全国的にも同様だと思います。「あの子、美人だけど性格は最悪ね」みたいなネタも使いづらくなる。中身が同じレベルなら器はキレイな方がいい。で、美人のカテゴリの範疇に入れないとなると、料理その他のいわゆる女子力はまた別にしても、もう勝負できる術がないんだわ。少女漫画のヒロインも美少女起用が当たり前になり、ジャンプ等で登場する女子キャラは皆、見た目も中身もいい女の子ばかり。こんな女、ちょっくらちょいといるもんかい。って、いるんだな、これが。特殊な存在ではなくなりつつある彼女たちに対して、そのカテゴリに入れない身としては悔しさが増幅するといったところでしょうか。
しかしながら、素敵な彼に選ばれた存在が自分にとって異性である＝男なら許せるんです。引け目を感じたり、同じ土俵で勝負したりする必要がないから。さらに、いくら美形でも性別が男ならば、大半の男性（異性愛者）は恋愛の対象にはしない。同性であることがハンディになるわけだ。それなのに、並み居る美女を抑えてモテ男のハートをゲットしたのが男となれば、美人ではない＝ハンディのある者にとっては、不利の条件こそ違え、ハンディを乗り越えた者の勝利であり喜ばしいこと。そんなふうに考えたのですが、いかがでしょうか。
話はズレますが、ベイバ・紅シュウのCVである榎木淳弥氏。ベイバを観て初めて知った声優さんなんですけど、声だけでなくルックスも◎で紅シュウそのもの。人気も赤丸急上昇で売れっ子の仲間入りをされています。今日知ったネタでは鬼滅映画で煉獄千寿郎も演じておられるとか。それはともかく、他の出演作品を知らないままシュウのイメージがついてしまったものですから、シュウ以外の役（『呪術廻戦』虎枝悠仁を拝見）を演じていると「話し方の感じがシュウと違うな」とか「今の発声はシュウっぽかった」などと、シュウを基準に捉えてしまうんですよね。このキャラはジャンプ作品だからまだしも『トニカクカワイイ』という、原作がサンデー連載のアニメで鬼頭明里氏（CV禰豆子で一世風靡）と一緒にラブコメをやると聞いて、ちょっとばかりイラッと。
何だろう、シュウが女と結婚した、みたいなイメージに囚われるのかな。色んな役を演じるのが声優さんの仕事であり（声優に限らず俳優も）ラブコメだろうが殺人鬼だろうが変質者だろうが、何でも演ってなんぼだとわかっているし、もしも今、榎木氏が結婚したというニュースを聞かされたとしても何ということもない（未婚者です）。もちろんシュウの夢女でもモンペでもないのに、シュウにはバルト以外の誰かとの恋愛を示唆するような情報をもたらして欲しくないんだわ。相手が男か女かではなくバルトの他には誰も、と思ったけど、男はともかく女はダメだと感じるあたり、最初に書いた異性CP＞同性CPの価値観にオラ自身が振り回されているからなのかもしれません。
