灰になるまで腐女子です?

二次元沼にハマった永遠の35歳主腐が同輩を求めて綴る戯言

ベイバ履修中③ ベイバ無印の履修完了とレポート(後編)


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 ベイブレードバースト・アニメ第1期に関する報告書

〈考察〉

①設定と背景

 爆ベイのアニメ1期の無印では特に、原作・アニメ共に主人公・木ノ宮タカオの住居の周囲で「近所の子供たちが公園や河原などに集まって、みんなで野球をやるような感覚でベイバトルをする」場面が多々見受けられたが、タカオが小学校にいる時にはバトルのシーンはない。存在したかもしれないが印象に残らない場面だと思われる上、そもそも学校での場面が稀少。またアニメ2期の2002では、火渡カイが在籍する全寮制の中学校の寮内でベイバトルを楽しむ生徒たちの姿が描かれていたものの、部活動という形では紹介されていないところから、こちらも生徒たちの娯楽のひとつにとどまっていると思われる。

 つまり、ベイを『部活動』としたところがベイバならではの設定である。小学校の校内には随所にスタジアムが設けられ、バルトたちは校舎の屋上を活動の拠点にしている。彼らの学校生活の描写、先生や他の生徒と関わる場面も多く、原作では林間学校に参加するシーンもある。読者・視聴者である子供たちにとって、ベイのある世界観がより身近なものとして捉えられる狙いがあると思われ、また、ベイのスポーツ化と相まってよりリアルな学園物・スポ根物としての作品の側面が強調されている。 

②ファンタジーとリアル

 ①で記述したように、ベイバは学校という実生活の中に部活動として溶け込むベイという扱いをしているため、爆ベイに比べてリアリティの度合いが強い。爆ベイでは重要な設定である、四聖獣に類するものが存在しないのはポイントのひとつで、バルトの持つベイ、ヴァルキリーやシュウのスプリガンなど、名前の元になっているのはギリシャ神話他に登場する神々や人物、動物等ではあるが、ベイの強さ、力のイメージ=アバターとして提示されるものの、四聖獣のように「一般人には見ることはできないが存在するエネルギー体」とは大きく違う。そのため、四聖獣のパワーを巡ってベイを狙う者が云々と、2002で展開されたようなファンタジー色の強いストーリーはない。

③主人公の周囲の人々

 タカオの最大の協力者は才媛マナブ(キョウジュ)である。身内である祖父は応援者にとどまっており、兄は敵側にまわることもあって期待できない。よって大会の記録、ベイのメンテナンス、精神的なサポートまでの大半をキョウジュが請け負っている。これに対して、バルトには協力者が多い。学校での活動を支えてくれるのは学園長、記録係かつ情報提供は双子の弟妹で、メンテナンスこそ外部に委託するが、精神的に支えてくれるのはクラブの仲間たち、特にクミチョーとシュウである。個人戦ではライバルとなるはずだが、クミチョーの存在はライバルというより身内に近いものがある。

 

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日夏 常夏 バルト

  タカオに比べてバルトのメンタルが強いのは本人の性格と状況にもよるが、サポートしてくれる人々の数の差も影響していると思われる。余談だが、常夏と日夏は「ベイバ界のキキララ」と呼ばれているらしい。

 

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我が家にあった昭和のキキララグッズ

④ベイ大会の構図

 予選を勝ち抜いて日本一を決めるという大会の趣旨は爆ベイもベイバも同じだが、ベイバは地区予選から始めるあたりがよりリアルになっている。地区予選決勝でシュウに敗れたバルトが敗者復活戦を経て全国大会へ参加、著しい成長を遂げて全国ではついに準優勝する。当初から優勝したタカオとの違いは「上には上がいる」展開であり、優勝者の白鷺城ルイは絶対王者として君臨し続ける存在となっている。

 爆ベイではタカオの優勝が決まったあと、準優勝のカイたちとチームを組んで日本代表(アマチュア)として世界大会に臨むが、ベイバでは日本一がルイに決まったところで終了。バルトたちが世界へと進出するのはプロ入りしてから、コミックスでは6巻後半~10巻前半、アニメでは2期の「ベイブレードバースト神(ゴッド)」(以下、「神」)以降に引き継がれる。

⑤ライバルたちとの関係性

 ベイに限らず、コロコロ作品最大のテーマは主人公とライバルたちとの関わりではないかと思われる。バルトにとって親友から最大のライバルとなる紅シュウは接点が友達同士というところから始まるため、出会った当初、敵対していたカイとタカオとは出発点がまったく違い、二組の関係性の変化は正反対の展開をみせる。ベイを破壊する敵であったカイがタカオの良きライバルとなり、絆が生まれる関係とは逆に、親友という絆で結ばれていたシュウとバルトだが、バルトが短期間で急成長したこと、また、前回の全国大会決勝、自分自身歯が立たなかった相手であるルイを追い詰めたことに対しての焦りや嫉妬心がシュウを変えていく。彼の変貌は「神」で描かれる。

 シュウ以外のクラブのメンバーもバルトとバトルした経験があり、仲間となってからも手合わせしたいという気持ちを持っているが、タカオ対レイ・対マックスに比べて悲壮感がないのは人数が多いこと、バルトが孤立するわけではなく、傍には常にクミチョーという存在があるからではと推察される。また、アニメで団体戦を行なった結果、他チームのライバルたちが数多く投入されたため、一人一人に対するこだわりが薄れたとも考えられる。爆ベイでの他チームライバル投入は世界大会からであり、BBAチームは常に四人ないし大地を加えての五人という少人数で付き合いも長く、ライバルか友情かと、相手に対する思いの密度が濃くなってしまう弊害があると考える。

〈所見〉

 ベイバ無印の範疇は安心して観ていられるという点が特徴である。ヒヤリとさせられる展開があったとしても予定調和であり、必要以上に主人公の心情にのめり込んだり、理不尽さを覚えたりするところがない。幼稚園児~小学校低学年の視聴者に適した内容であり、大人の視聴者からすれば物足りないと感じるところもあるやもしれんが「神」以降が怒涛の新展開なので、心の平穏を保つためにも、登場人物たちにとって無印という時代は必要だと考える。次回のレポートでは「神」を取り上げる。

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【腐】を一切封じてのレポート、いかがだったでしょうか。「神」「超ゼツ」「GT」も同様にレポートしたあと、改めて【腐】の部分にスポットを当てた記事を起こしたいと思います。ホントは早くそっちを書きたくてうずうずしているんだが……順番を守ろう(笑)。

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